茨木のり子集言の葉３（全３巻） (ちくま文庫)

茨木のり子セレクション文庫版・第３巻。1990年代の仕事を収める。収録された詩集は『食卓に珈琲の匂い流れ』『倚りかからず』の２冊。これらの他に未収録詩篇も収められていて、１冊ぶんぐらいの量はゆうにある。他はエッセイおよび韓国詩の翻訳紹介で、この詩がどれもいい。エッセイはほとんどが『一本の茎の上に』文庫版と重複している。この全集に収められたものの他にもう１冊、没後に編まれた夫君への挽歌集があるという。長年かけて書かれたものだが生前には出すなと詩人から厳命があったんだそうだ。解説に一篇だけ引かれたそれは素晴らしい。文庫化が待ち遠しい。