光を聴く旅―MY CD STORY

今から20年近く前に、さらに10年前ぐらいからのCD開発ストーリーを物語にした本。私が子供の頃はCDプレイヤーが家になくて悔しい思いをした。勉強で好成績をとったらCDプレイヤーを買ってくれと親にねだったが、その割には嫌な勉強をするよりか趣味に没頭する性格ゆえ成績は一向に上がらず、今に至も据え置き型CDプレイヤーは買っていない。そんな子供の頃からCDに憧れ続け、読みたかった本をようやく探し出してやっと読んだ。今、私の手元には2層記録可能なDVDレコーダが1台、DVDとCD-R/Wのコンボドライブが1台、DVDドライブが1台、PS2に入っている DVDドライブが1台、B&Oに入っているCDプレイヤーが1台、LD/CDコンパチプレイヤーが1台、ポータブルのCDプレイヤーが1台ある。合計、7台のドライブがあるわけだ。しかもうち2台はCDの書き込みを高速で行うことができるドライブである。さらにすごいことに、DVDまで家で作れるようになった。この本を読むと、20年前にはそんなことは夢のまた夢だったことがよくわかる。でも、CDを作った世界各国の技術者達がいなければ、今こんなに簡単に音楽を聴くこともなく、データの大量配付が簡単になっていることもなかっただろう。この時代に進められたデジタル技術の研究が如何に大事だったかを知るためには最適な本である。この本を書いた著者のオーディオレビューは常に優しい。もちろんこの本も技術に対する尊敬の念と興味と好奇心で満ちている。それぞれが優れた音楽と共に紹介され、読むのがとても楽しい。