学習まんが少年少女 人物日本の歴史平将門

武士で初めて政権を築いたのは、平清盛が太政大臣になってからとか、源頼朝が鎌倉幕府を開いてからとか教科書には書かれていますが、まずは平将門の存在を忘れてはいけませんね。平将門が親皇の位を神社から授けられ、坂東の地に独立政権を築いたことが武士政権の始まりだと思いました。ただ将門の政権は朝廷からあまりに危険視されていたこと。親皇になって、領民のことを思わなくなったこと。農繁期に入り、兵士が国に帰ってしまったことが原因で滅びてしまいました。それまで将門は領民思いだったのに、権力を手にしたとたん領民のことを思わなくなってしまいましたが、人間って権力を手にしたとたん、変わってしまうものなのでしょうか？清盛も周りの人に気配りをする人だったのに、太政大臣になってから平家一門のことしか考えなくなったと言いますし、秀吉も敵であっても生かす人だったのに、天下を取ると情け容赦のない人になったと言われています。将門もそうなのでしょうか？将門の政権に対して、ライバル貞盛の子孫清盛は朝廷内で権力を持ちますが、貴族化という弱体化を招いてしまいます。頼朝は将門のように朝廷から離れすぎてもだめ、清盛のように朝廷と結びつきすぎてもだめという教訓を生かして鎌倉幕府という朝廷との結びつきを保ちつつ、朝廷からは一定の距離をとった政権を築き、成功しましたね。また将門の兵は農民も兼ねており、農繁期に入ると皆帰ってしまったことから敗れました。秀吉などが兵農分離を進めたのはこういったこともあるのかもしれませんね。親皇になってからは変わったけど、それまでの領民思いが共感を呼び、現在でも将門は人々に愛されていますね。この本を読んで、皆に好かれるにはどのようにすればよいか？トップに立つ者として何をすべきかを考えてみるのもいいですね。